インドネシアでジャポニカ米を作る! 打倒「錦」旗揚げじゃ!

先日インドネシアに行って来ました。
 
行く事にしたきっかけは、台湾人の友人の結婚式がバリであったから(だいぶ前から決まっていた)なのですが、
 
もともと、TPPの議論とかに鑑み、「インターナショナルに農業やりたい!」という思いがあり、
また、長野の農業ビジネスパートナーも、長野での事業は一定の規模感に達したので、次どうしようか、みたいなことをウンウン考えていまして。
 
結果、「インドネシアで米はありかも!」と思うに至り、今回フィジビリティースタディーをして来ました。
 
実際、行ってみた結論としては、「やる」。 
 
儲かりそうだからとか、たのしそうだから、とかだけではなく、運命的に「やるぞ」と。勝手に使命感を持ちました。
 
この仕事は、「億人」単位の食を生み出す可能性のある大変有意義な仕事ですし、東アジアの政治的安定、日本の国益に照らしてもかなり有意義な仕事であり、若い人がコミットすればかなりな事が出来る分野だと思います。
 
以下、出来る範囲で状況のご報告です。(相手がある事なので、一部非公開)
 
一緒に汗ながせる人。インドネシアに行くぞ!という気持ちがある人、熱烈募集中です。歓迎光臨。
 
ということで以下詳細。
 
<目次>
1、地理的にポテンシャル抜群のインドネシア
2、日本が優位な立場でビジネスが出来るラストリゾートとしてのインドネシア
3、マーケットとしても十分大きいインドネシア(の都市部)
4、地元との提携、すぐできそうな感じ。スピーディーな展開可能
5、日本政府とも連携すべきだし、できそうな気配だからしようとしてみる
 

1、地理的にポテンシャル抜群のインドネシア

今時点でも、インドネシアは約2.5億の人が、米を中心に食べて生きている。
しかも、その米の反収(面積当たり収量)が日本の半分程度。
仮に生産性を上げる事が出来たら、2〜3億人分の食い扶持を生み出せるかもしれない。
中国が穀物輸入国化既にしたと思いますが、シンガポール、香港、中国と大市場にすぐ海運でいけるインドネシアは、アジアの穀物大輸出国となると言われています。
 
なにより、今回目でみて驚いたのが、四季がないから、例えば「田植え担当」は通年田植えができる。もちろん収穫も「通年新米出荷」が可能。
標高差もあるから、それを利用していろいろな種類が展開できる。
一方、一枚一枚はそんなに大きくないから、「人間ビジネス」でありつづける。アメリカみたいに全自動っぽくはならない。
「世界一田植えしてる男」は、インドネシアの大規模農場から生まれる事でしょう。
日本でも近い将来「(比較的古い米しか無い)梅雨〜夏は、インドネシアの米が一番うまいよね」ということになりうるし、特に、すし・牛丼など外食において、こっちのほうがコストパフォーマンスがいいから、という話になりうる、と目論みます。
  
ジャポニカ米の大産地はいくつかありますが、中国、カリフォルニアなどは、私が聞いた範囲では、両方とも連作障害(土の問題)や、水の質/サステイナビリティーの問題を抱えているので、中長期でみるとインドネシアに軍配が上がる気がします。
  
 
2、日本が優位な立場でビジネスが出来るラストリゾートとしてのインドネシア
 
ワタミでは、カンボジアで米を作ろうとしています。そんなこんなでいろいろ勉強しましたが、東南アジアはいかんせん、企業、政治の結びつきが中国、韓国と強い。けっこう、がっちり押さえられてしまっています。インドシナ半島の物流は南北が主になりそう。(日本は東西作ろうとしているけど)
 
インドネシアは違う。物流は島国だから自由度が高い。
何より、「親日」です。
留学生の数でも、日本で学んだ人が最多なんではないでしょうか?しゃべれる外国語でも、「日本語」の人が「中国語、韓国語」の人よりずっと多くいる珍しい国でしょう。
車も日本車ばっかり。街角の宣伝でも、' Best sales in Japan ' みたいな売り文句も多い。
Made by Japanese in overseasをやるなら、in Indonesiaが、しっくりくるな、という感じがあるのです。
 
実際、今回行ってみても、ドライバーさん始め、現地でジャポニカ米作っている方、NPO(Oisca)の方、等々いろいろお会いしましたが、やりやすそう。 肩の力が抜けていて、長く付合うのによさそうです。
 
農業で言えば、Oiscaという組織が、農業で日本への研修生何百人もこれまで送り出して来ている実績があります。
本当にありがたいことで、ここの研修卒業生に、実際ジャポニカ米作られている方もちらほらおり、初速早く事業が組み立てられそうです。 

3、マーケットとしても十分大きいインドネシア(の都市部)
 
中国の沿岸部内陸部格差じゃあないですが、ジャカルタと地方の差がめちゃめちゃあります。
1000万〜2000万人の中産階級層がうまれたところ、というのが今の状況のようです。
ジャカルタの高給スーパーの物価は高かったです。例えばアメリカ産イチゴ1パック1500円。
お米も、日本産がキロ800円ぐらい。地元産コシヒカリも400円/キロ程度です。 
 
最初から輸出前提で事業を組み立てると、不確実性も高いし、固定費も高いし、ミニマムロットも大きいしドキドキしていたのですが、地元マーケットをちゃんと狙いながら進める事で、ステップバイステップで事業展開出来そうな気がしています。

4、地元との提携、すぐできそうな感じ。スピーディーな展開可能
 
今回最大のサプライズだったのはこれ。 
インドネシアの将来に「張っている」、海外ビジネス経験十分且つ僕より若い日本人との出会いがあり、本当に嬉しかったです。そういう尖っている人との仕事はムダが無いし、こちらも自ずとやる気がミナギるので楽しみ!
地元の地主さんや、財閥も、「日本とのビジネスチャンス」ということであれば、是非話したいというところも多いような感じでした。
最も重要な、「生産者確保」。驚くべきことに、先述のOiscaさん等nお陰さまでジャポニカ米を育てている生産者の方々が存在。とはいえ、苗技術やブランド化などこちらにできることもありそう。ということで組むのにちょうどいい状態です。頂いたいろいろなご縁を大切にしながら、スピーディーに、一つ一つ進めていきたい。 
 

5、日本政府とも連携すべきだし、できそうな気配だからしようとしてみる
 
そんなこんなを検討している、インドネシア渡航の直前、何名かの敬愛する先輩方から電話が。
内容は、みなさんご一緒で、「農水省ファンド」の件。
 
農水省はファンドやったことないし、組成される事決まったものの、企画はこれから」の由。
「お前、ファンドも農業ビジネスも分かるっぽいから、他者批判ばかりしていないで少し、貢献しろ」との旨。
 
僕は、ファンドをやった事がある訳でもないし、CFOったって財務的な仕事は殆どしていないし、農業もかけだしなので何が出来るはわからないものの、 多分これがそのまま走ってもうまくいかないだろうとは思うし、そういう批判もしてしまいそうなのはその通りだったので、少し大人になって、私なりに出来る事はしてみようかと思っています。
 
ということで、政府との関わりが今後どうなっていくかは分かりませんが、いろいろな方と話し、働きかけていきたいと思います。フードセキュリティーをグローバルな観点で考えるのは世界の常識(韓国がマダガスカルの土地いっぱい買うみたいな話しも話題になっていた通り)。日本も、大量に移民入れる覚悟が無いなら、現実的に考えるべきでしょう。
 
「日本人/日本の資本が、インドネシアでプレミアム日本米を作り、フードセキュリティーに貢献しつつ、ジャポニカ米のブランド化、普及に貢献する事」
は、国益にかなうはずだから、いろいろと後ろ盾を適切な範囲でして頂こうと思います。
 
ということで、がんばるぞ。あせらず、目先の利益にとらわれず、「20年の視点」で「生産特化、生産性向上とサステイナビリティーアップの両立モデルを、伝播しやすい形で展開する」ゾ
 
次回は、3月、農業ビジネスのパートナーと訪れ、実際の栽培を検討して来たいと思います。まずは、苗床作りかな。
 
海外に赴任した方は、だいたい「錦」を知っていると思います。
ロングセラーブランドのカリフォルニア米です。「」なんて、日本らしいブランディングですね。
Wagamamaにカジュアル日本食市場がとられちゃっているみたいなもんで、負けてられません。アメリカの、総合日本食商社が手がけているみたいで、勝手に好敵手認定させて頂きます。

さて、今後は、ミニマムアクセス米の流通や、農業機械(田植機、コンバイン)の日本メーカーの海外展開状況、ジャポニカ米の国外流通(「錦」のJFCインターナショナルについて) などなど探っていき、事業進めたいと思います。この辺のエリアに一家言、知見あるひと、是非いろいろ教えて下さい。
 
本件、「オープンソース」的アプローチで、巻き込み型でやっていきたいと思いますので、情報提供、参画、応援、何でも受け付けます。 宜しくお願いします。 
 
Oisca スカブミにて

 
仮想ライバル 「錦」