脱レバレッジの仕事論

いよいよ、畑仕事が本格化して来ました。
 
畑仕事はジミチです。
 
例えば、
 
爆弾低気圧で、にんにく畑のマルチがやられ、

 
それを一つ一つ修復(5万穴)
 

 
あるいは、20年ものの耕作放棄地の開墾
 

 
これも、5人日/反ぐらいのペースです。
慌ててやっても、2〜3割早くなるかもしれませんが、体に無理がかかるか、仕事がいい加減になって後で困るかです。
着実にやるしかない。
 
 
さて、以前コンサル会社をやめて「農業やります」と諸先輩にご相談した際、
あるいは、最近、農業系のビジネスプランを先輩にご相談する際、 よく出て来た反応が
 
レバレッジが効くの?」「この事業のレバレッジは?」「どうレバレッジ効かすの?」
 
という、ものでした。
親心から出て来た、ありがたいお言葉です。
 
私も、「うーん」と考えてしまいました。(考えた結論は最後に。)
 

 
田舎で事業を進めようとしたり、畑仕事をしていると、確かに時間が「ゆっくり」過ぎる気もします。
 
いろいろな人に会うにも時間がかかったり、畑仕事も季節に合わせて、天候に合わせてなので、スタンバイをして待ったり。
 
でも、「ゆっくり」は、遅い のではなくて、 着実、確実に揺るぎない価値を生むペースなんだ、という気もするのです。
また、「長期視点で有意義な事をしている感」もあるのです。
 
例えば、開墾して、農地を作る時、僕は10年 20年先を想像しながら、時間や労力の配分、つまり投資決定しています。
 
そして、僕がよぼよぼのおじいさんになって、願わくばうちの会社の担当の若手がこの農地で農業をしていて、生き生きと作物を作って、「俺の畑、いいものが出来ました!」と言っても、
 
「ん?俺の畑じゃと? 誰が開墾したと思ってるんだ!」
 
とか言えちゃう(言わないけど)。 なんてことを妄想して、ムフフとなっています。
 
手で触って、体を使って、情熱を傾けて、じっくりやった事。これは、あとに残ります。
積算され、積み重なって行きます。 三匹の子豚のレンガの家のような感じです。
 
ブームやバブルは去ります。 よいレストランはテレビ取材はお断りというのが多い。
 
 
ということで、何が言いたいかといえば、レバレッジが効かない仕事は、やりがいがあり、着実だし、楽しい。
レバレッジが効かないからこそ、楽しいし、地に足がついているし、自信にも繋がります。
 
楽あれば苦ありと言いますが、 逆もまた真なり。 苦あれば楽あり。
 
世の中は、よく出来ていると、思います。 
 
ということで、私は、人生の大きな部分の仕事を、レバレッジが効かない事にしっかり傾ける事をオススメします。
 
もちろん、自己実現を図る事、世界の中で、どう自分がスペシャル/オンリーワンになれるかを模索する事を否定するものではありません。 アンテナは立て、自分なりの発信や、世の中を泳ぐ事は大切ですが、生活/仕事のベースとしては、「積み重なる」努力が、かけがえの無いものだと思います。
 
ITとかで、しっかり実績残されている方とかを見ても、成果を出されている方は、案外 ジミチなことが出来る人なんだな、という感じがしています。
 
レバレッジばかりを追い求めない。 皆さんはどう思いますか。