小布施若者会議寄稿 vol1 徒然なるままに、小布施と私のこれまで〜若者会議に至る経緯

これまで約半年に亘り仕込んで来た、都会のワカモノを長野へ引っ張ってくるプロジェクトの一貫で、
「小布施若者会議」が今週末に開催されます。

これにかこつけて、主に参加者をターゲットに、私の視点で小布施をどう捉えているかをお伝えしたいと思います。
 
仮のテーマとしては、
 
vol1; 徒然なるままに、小布施と私のこれまで〜若者会議に至る経緯
 
vol2; なぜ小布施で若者会議か? 〜 それぞれの人の思い
 
vol3; 小布施が今検討している事; 定住化促進プロジェクトより
 
vol4; 若い力で地方から変えて行こう! 今の時代認識

vol5; 試案まで、小布施でこんな事業ありなんでは?
 
というような流れで、連続してアップして行きたいと思います。


ということで今回は「 徒然なるままに、小布施と私のこれまで〜若者会議に至る経緯」ということで、1年前は全然知らなかった小布施と、今日までのご縁、これまであった面白かった事などを共有したいと思います。

〜 その1 ハンパない町長との出会い 〜
 
私が始めて町長と出会い、小布施町に来る機会を頂いたのは、とあるイベントがきっかけでした。
長野県のいくつかの企業の経営者が、若手農家を呼んで懇親会をしよう、という有り難い場にお誘い頂き、その場が小布施であり、その場に町長もいらっしゃって、お話しする事が出来ました。
 
細かい内容は忘れてしまいましたが、その場で町長が「小布施としては新規就農を年間10人ペースで来て頂きたいと思っているし、そのための予算もつけている」というお話だったので、私が、「どんな人を採用する予定ですか? 基本新規就農は続かないので、採用がとても大切です」というお話をさせて頂いたところ、その面で協力してくれ、という話しになりました。
 
私も経験豊富な訳ではありませんが、ワタミファーム社長をさせて頂いていた時に、(ちなみにワタミファームは社員全員新規就農。元居酒屋店長とか)つくづく感じていたのは、「農業研修を受けて来た」とか「農学部だ」というのは当てにならず、「店長として売り上げ上げて来た」とか、そういう人が通用するという事でした。
 ということで、今も小布施の新規就農については、「スキーを真剣に取り組んでいる人」とか、ジャンルは何でもいいのでちゃんと打ち込んで成果を出しているような人に対して投資して行くような制度で設計しています。
 
さて、話しはそれましたが、イベントで簡単にお話しした後、一度御呼び頂き、町長室でお話をする事になりました。 その時にビックリしたのが、「県道をそらす」構想です。
小布施は、ご存知の通り、バスツアーにて町の中心部に栗菓子屋と北斎の美術館を求めて人がいらっしゃる、そういう町です。
町長の部屋には、昭和初期?の町の中心街の写真があり、そこには当然車は通っておらず、道がコミュニティーの中心となっていて、子供が遊び、人がふれあう空間となっている様子が写されていました。それを見せながら町長は、「こんなふうにしたいんだよなー」とお話しになるのでした
 
この道のお話だけではなく、町長は「自分たちの世代が、いろいろと面倒だと感じてみんな田舎を捨てて都会に出た。気づけば、都会はギスギスしているし、地方は荒廃している。おおきく間違ったかもしれない、、、」というようなことを、長い将来を見据えられているような遠い目をされながらお話しされたりします(ちなみに、町長は新卒でSONYに入社しています)。
 
この町長との出会いは長野移住前だったのですが、長野に移住先を決めたおおきな理由になりました。以来、小布施に住んではいないのですが、週一度通いで非常勤でお仕事をさせて頂いております。
 
このような、町長のもと、「町」という目、手が届く範囲で仕事をさせて頂く(例えば、町役場に勤務する人は約100人)のは楽しい限りです
 
〜 その2 「小布施ビトとの出会い」

町長に惚れ込んで、通うようになったのですが、小布施には惚れ込むべき人がもっと沢山いたのでした。
田舎の町に「入り込む」と、普通は「よそ者」として、嫌がられます。
車で通っているだけでも、農道だったら、「だれだ?」っていう目で見られるのがコミュニティーが健全に機能している田舎です。
そんな中で、素晴らしい出会いがいろいろありました。個人名は割愛しますが、ご容赦下さい。

〜 コテコテの農家さんとの出会い 〜
町長には、「ここでなんかやれ」ということで、コテコテの農村部に連れて行って頂き、懇親会等で紹介を頂きました。
正直、小布施にも新規就農農家もいますし、そういうメンバーと販売を刷る等した方が話しは早いな、、、というのが当初の印象だったのですが、それは僕が不明というものでした。
実際には、めちゃめちゃキャラの濃ゆい、年季の入った農家さんの一部と、心の交流が出来、大学の後輩をお手伝いに受け入れて頂くような機会も頂いたり、りんごを一部販売させて頂いたりしました。
こういった「ホンマものの農家さんとの繋がり」は、今後何かを展開する上で何にも変えがたいと思っています。高齢化も進んでいますので、この農家さんこそ、若い力との交流を求めています。近い将来この地区で面白い取り組みをしたいと思っています

〜 変人・妖怪的な町民たちとの出会い
 
小布施には、すごく変わっている、良く言えば自分を持っている人がいっぱいいます。起業家、公共施設で働く人、自営業を継いでいる人、みんな自分をもっていて、うわっついた言葉ではなく、自分の言葉で具体的に話します。
こういう人達との付き合いは、とても楽しいのですが、こちらがわが生半可だとはじき飛ばされます。 軽い気持ちで、「こんなことやってみたらどうだろう?」と言ってみても、「で、どうやってやる?誰が何処でやる?」という感じでかなりスリリングで、スピーディーです

〜 役場のメンバーとの出会い
 
小布施の役場も、驚くほど懐が深い組織です。 普通「よそ者」が、「ああしたほうがいい、こうした方がいい」と知った顔で提案すれば、それが如何にいろいろな経験に裏打ちされたものであっても、感情的に拒絶するものです。
ところが、小布施の役場の方、に限らず小布施には外から入っていろいろやっている素晴らしい先陣がいるので、基本的には受け入れてくれる。とても有り難い話しです。
実際、役場の若手には小布施出身ではない、他県出身者も活躍しています。
こんな役場、ないと思いますし、これから地方で、コミュニティーとうまくいろいろと進めるには、役場との連携が不可欠ですので、こういう役場の存在、懐が深く、且つ革新的な田舎というのは殆どないと思います。もちろん、限界集落的な、にっちもさっちもいかなくなって外部にお願いするという流れが生まれる事もありますが、小布施のようなブランドや資産(年間120万人の観光客等)がある自治体で、こういうスタンスなのは、とても希有だと思います。
ちなみに、私の個人的な意見ですが、クリエイティブな仕事をするなら、国でも県でもなく市町村でやるのが、早いしやりやすいと思います。

〜 学生との出会い、若者会議下命

私が仕事を小布施はじめ、どうやって優れた新規就農者を呼ぼうかな、と動いている際、「若者会議をやろう。200人以上呼んでくれ!」というお話が町長から出ました。
以前、「日米学生会議」を小布施がホストしたり、学生インターンを受け入れている経験から、「おっきいのを、やろう。まず来てもらおう!」ということで、私もピンと来ました。
運営メンバー揃うかな?と不安もあったのですが、これについは、1にも2にも、学生がボランティアで頑張ってくれました。
もちろん、役場のメンバー、小布施の若者、スポンサーなどなど一生懸命動いていますが、客観的に見て、自分の出身地でもない小布施を盛り上げる為に、無給で忙しいなかどんどん仕事をこなす姿は、心を打たれました。
ここは名前を書きましょう。
三谷、大宮、山本、正能、田中、藤田(敬称略)はじめ、学生メンバー、本当にお疲れさま。
 
小布施若者会議、当日、事前といろいろと至らぬ点もあろうかと思いますが、参加者の皆さまは、心の一部にこれらの奉仕的に大貢献したメンバーのことをとどめておいて下さい