食べログ つまづいたかに言われてますが、結局勝つかと
食べログ（カカクコム）にやらせがある、と騒がれています。
ということで、これがどのぐらいインパクトがあるか、具体的に言えば、食べログとぐるなびでぐるなびがまきかえせるか？というような観点で考えてみたいと思います。
結論から言うと、僕は、今回の事は些細な事で、結局食べログのレストランポータルとしての地位は揺るがないかなと思います。
それは、戦略レベル、ビジネスモデルレベルで優れているからで、戦術、オペレーションレベルの修正は、今後いくらでも効くからです。
結局、
誰だか知らないけど「ぐるなび」で働いている人の決定する、レストラン紹介の表示順を信頼するか、
誰だか知らないけど「食べログ」にせっせと評価をアップする、一般人＋さくらによる評価を信頼するか、
どっちだ、という話ですね。
ぐるなびは、レストランからお金もらっている訳です。お金くれるレストランの方を向いた仕事にならざるを得ない。
食べログは、雑音はもちろんあるだろうけど、まあ、善意が支えるモデルとしては成り立っているわけです。
別の言い方をすれば、今回の件はYahoo auctionの評価を、やらせで上げている人がいたとして、Yahoo auctionを使わなくなるか？という話と一緒なのでは？という話です。
もうちょっと、広い話をすると、
アメリカがベトナム戦争で負けて以来、上意下達のモデル、「優れている選ばれた人が上位」モデルは、古いということになってきているのが基本トレンドかと、僕は思っています。
だれが上司か分からないが、同じ目的の為に、個々人が勝手に臨機応変に動く組織（そもそも組織と呼ぶのが適切ではないかもしれない、奴ら）が強い時代かと。
背景としては、情報化や、教育が一般に行き渡っとこと、などなどがあるでしょう。
なので、ネットで情報提供をウリにする限り、いわゆるCGM（みんなが勝手に投稿して、その情報が集まる事自体が差別化/信用の拠り所となるサイト）が優位な時代だと思います。
そして、こういったサイトは、各分野一つあればいい。だから、いわゆるデファクトが作れるし、食べログはもうデファクトの域でしょう。
あと、情報のタイプによって、CGMとなじむか、みたいな議論もありえそうですが、これも早く立ち上がるか時間がかかるかの問題な気がして、情報を売りにしている限り衆知が勝つと思っています。
ということで、今回の「やらせ」をもって、やっぱり食べログは信用できない！という風にはならないでしょう。
むしろ、今後、以下のような手をどんどん打つ事が可能でしょう
・予約情報、GPS情報と連動させて、「食後」にフィードバックを依頼し、フィードバック獲得率を増やす
・ユーザをセグメンテーションし、「類似ユーザ」の評価を選んで示す
・ユーザの、外食履歴データを元に、「そろそろ中華でしょ？近くに、あなたの好みっぽい店がワンクリックで予約可能」とアマゾン的に薦める
アクセス数、ユーザ数こそキングですね。
「やらせをとっちめる」的なところ、ポーズは必要ですが、そこは非本質で、「普通に飯食った人が、フィードバックをする習慣付けをどう進めるか」に注力するのが本筋だと思うので、がんばって欲しいものです。
情報まで、アクセス数推移です。食べログがぐるなびを引き離して来ていますね。
尚、余談が二つあります。
余談１：市場定義の問題。
要は、こういうCGMが、国に一つあればいいのか、世界に一つあればいいのか、というのは面白い課題設定と思います。
MixiがFacebookにやられそうな気はするし、同様にYahoo! auction JapanがeBayに、楽天がAmazonに、食べログもYelpにやられるということは考えられる気がします。まあ、ハッピーに統合される事も含めて。
結論から言えば世界に一つでいいんでしょう。これも、時間の問題ですね。
もっとも、逆に、cookpadが世界制覇することも考えられますね、日本の家庭料理レベル高いし。志し高くがんばってほしい。
余談２：どうマネタイズするかの問題。
wikiが寄付募ったりしてますし、facebookもスゴい時価総額つきそうだけれど、どう実際売上を上げるか見えにくい気もします。
ただ、ここも所詮戦術論かと。 ユーザーが離れ、アクセス数No1の座を失わないことを大前提に、可能な範囲でマネタイズしていくかやっていけばいいかと。
参考に、以前作ってみた、ebayのビジネスモデルをシステムシンキングで書き下ろした図をつけてみます。
世の中、便利になってきていますねー。
ちなみに、私は便利な仕組みを作る側よりは、そこに乗っかる中身（レストランや野菜の作り手）になるのが、個人的な志向でーす
ということで、専門家でもないですし、食べログのまわしもんでもないですが、雑感まで
