ギリシャの国民投票 やったら良かったと思う

ギリシャパパンドレウ首相が、EUの条件を飲むかどうかについて、国民投票で決めると言った事に対し、非難轟々である。
我が国の財務大臣も、思考の過程は分からないが、不満を発表している。
 
しかし、僕は、なんとなく違和感がある。
 
今回のEUの条件を飲むかどうかは、例えて言うなら、日本で言えば、
「消費税を30%にして年金支払い開始を70歳にして、生活保護を一人3万円/月までにするし、医療費も一人月2万円まで。そして、そういった日本の財務に大きな影響を与える事は、アメリカと中国のリーダー会議で決めるべき内容だからね」 と言われているようなレベルの事なのではないか?
 
そして、更に言えば、ギリシャはデフォルトしてEUから脱退して、自国の通貨を創り直すという選択肢がある。

国民投票ふざけるな」と言っている欧州各国リーダー達は、例えば、「EU脱退されてデフォルトしたら、うちの金融機関の痛手は更に大きくなり困るじゃないか」という事なんではなかろうか?
 
そういう局面において、自分の判断で動いて行かなくて問題は解決するのだろうか?
民主主義発祥の地であるギリシャが、そんなことでいいのか? 
確かに世の中は複雑になっているけど、しっかり考えて 自分ごととして決めるプロセスを回して、
自立度を高めた方がいいんじゃないだろうか?
 
はっきり言って、能力があって資産が無い若者にとっては、デフォルトの方がいいだろう。
こういう人達が、これが良い機会だから、「老人の最低限の面倒は見るから、資産は切り下げ、財務規律をしっかり持った素晴らしいギリシャを創ろう」とリーダーシップを発揮した方がいいのでは?

実際、エコノミストの投票だと、意見は拮抗している。

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これは対岸の火事ではない。 日本でも必ず通る道だ。
 
その時、日本で何が起きてほしいか。

そもそも、「国」という単位や、「国が保障する通貨」というもの自体、信用できなくなって来ている。
その中で、逃げずに、それぞれが自分が出来る事を一生懸命考える事で、次のあり方を模索したい。
 
そうすれば、例えば、
「通貨の新規発行や借入を国が国民投票無しには出来ない」
とか、
「お金持ちの皆さま、この町に住めば、年間固定で1000万円税金払ってくれさえすれば、ちゃんとした行政サービスしますよ。地域通貨もちゃんとしているし、シンガポールいくよりこっちがいいよ。SECO○とゴール○マンと三井不動○も保障します」
というような、クリエイティブな結論/動きも出てくるのではないだろうか。

「人を他責的にしない事」こそ、現代のリーダーシップの要諦だと思う。
その意味で、この国民投票のつぶれ方、つぶれて当然の論調には違和感が残る。