小布施学生ツアーをやりました

今後、写真や参加学生のコメント増やしますが、とりあえずアップ。
個人的には、「小布施ってなに?」というビジョンの核が改めて肚に落ちた。
一言で言えば、「人。普通じゃない人が、小布施をすばらしいところにするという共通目標を持っているコミュニティー
北斎、栗、花、、、というのは、良い要素だが、戦術に過ぎない。 むしろオープンガーデン、図書館、公民館と各地区組織などのあり方こそポイントになってくる。
今後とも、学生含め、いろいろかかわっていきます。


学生小布施体験ツアー 報告

 
<経緯>
 
2011年春、長野で人脈作りをしていた木村が、ひょんなことから小布施の市村町長や、小布施堂の市村社長と知り合い、お話を伺い感動。 http://d.hatena.ne.jp/toshiharu_kimura/20110525/1306333448 :以前の記事
 
その後6月頃、サークル(AIESEC)の後輩との交流会にて、「視野を広げるなら、海外もありだが、日本の地方もありだぞ」と提案したところ、来たい人多数。
 
「農業x町づくり」での学生インターンを市村町長と相談したところ、木村の知り合いの新規就農者のところでやるのではなく、本気で今後「農」で振興したいエリアである「矢島地区」をテーマに活動したいとの事。
 
矢島はがっちりとしたコミュニティーであり、よそ者が基本的に入っていないエリア。
 
だが、町長が頼み込んでくれ、木村もこの地域のリンゴを少しだけですが集荷販売、また学生の本件担当者が小布施に来た際農家さんのお手伝いをがんばる中で、最終的に受け入れてくれる事に。
 
当初の反応としては、「以前農協の依頼で農大生受け入れたが、カップルがいちゃいちゃして困ったんだ」「家にくるのは勘弁してくれ」という感じ。
 
役場は町長以下、担当して頂いた「交流グループ」を中心に「なんでもします」というスタンスで、宿からなにから助けて頂いた。
 
<プログラム>
 
1日目:役場にて小布施の歴史勉強、町巡り、小布施堂市村社長、図書館長講話
2日目:農業体験(りんご葉摘み)、市村町長宅にて飲み会
3日目:農業体験(りんご収穫など)、矢島地区懇親会
4日目:役場プレゼン
 
<小布施堂市村社長講話>
 
・ (どうやって町づくりを“センスよく”マネージできたか?に対して)「美しい、センスがいいというのをデザインするのは、大層な事ではなくて、“ある程度そろっている”という事と、“その枠の中で自由に面白みを出す”ということを10年20年がかりでやればいい」
 
・ 「戦略という言葉が間違って使われる事が多すぎる。戦術に過ぎない事が戦略と言われる。戦略とは、10年30年100年の目線で根底の方針にかかわること」
 
・ 「専門家が“こうだ”と言う事から外れる事は、全部チャンスがある。例えば小布施の松は密植されていてひょろっとしていて、植木屋に言わせれば盆栽的な枝振りとほど遠く無価値であるとなるが、あれはあれで特徴があり風流。ブランド化できるのではないかと考えている」
 
・ 「マーケティング、例えば旅雑誌やテレビに出るという事は仕掛けない。むしろ建築家とか料理の専門家とか、そういうのの一流の人とホンモノを作って行く事に全力をかける」
 
・ 「教育を考えるとき、社会のレンズが消費からではなく労働の観点から形成されなければならないというのは共感する。自分が親父の言葉でよく覚えているのは、7〜8歳ぐらいのとき、100円でゴム草履を買ったとき、あまり気に入らなくて“100円は高いなあ〜”とぼやいていたら、親父に“おい、100円やるからこれでそのゴム草履作ってみろ“と言われ、目からウロコだった。作る視点に立つと、全然世の中の見え方が変わる」
 
・ 「人の優しさというのは、子供の頃は持って生まれた物があるのかもしれないが、30過ぎぐらいになってくると意味が違ってくる。相手の人生の浮き沈み等ストーリーが理解できるというのがやさしさ」
 
・ 「親戚関係というのはとても重要。全然違う立場、年齢のひとと付合う事になる。更に言えば、10年20年と付合う事で、浮き沈みがあり、いろいろなことが分かって人間に深みがでる。今のリーダーは、言っている事は正論なんだろうけど、深みがないな、という事が往々にしてある。」
 
・ 「子供に対して、“誰が一番大切か?”と聞くと、“友達”と答える。そこに、“その友達の名前を書き出して保管しておけ、3年後、5年後その[友達]がその時も一番大切か、確認するから”こうすると、家族親戚の大切さが少し分かってくる」

<まちとしょテラソ 花井館長>
 
・ 町民のコミットメント、議論によってこの図書館はできたし、成長を続けている。ぼくらは給料もらっているからずるいが、この町民こそがすごい
 
・ 図書館法は実は自由度が高い。この図書館も理念として、“交流の場”というミッションを持っている。だから、場所を区分して飲食自由、会話自由、移動もスキップまで自由としているし、セミナーや幼児教室などのイベントを一生懸命やっている
 
・ 自分がこの仕事に就いて一番イメージしたのは、開館の時の情景。町長のテープカットとかはあり得ないと思った。そこで、小布施小、中と町民の方に集まって頂き、全員でくす玉を引いた。それがこの図書館の象徴
 
・ 電子図書の話をするとき、世の中で言われている事はちょっとズレている気がする。パイを本とデジタルが取り合うみたいに言われているけれど、むしろ、百科事典や図鑑のたぐいなどが、デジタル化する事で、3Dや動画とリンクして発展して行くイメージを持っている。
 
・ 今はとにかく、小布施100名人というデジタルアーカイブを作っている
 
・ 小布施は何かと聞かれたら「妖怪の棲む町」 普通じゃない人がちらほらいる


<役場プレゼン 学生の発表のポイント>
 
・ 修学旅行で農業体験 → その原体験で一定の人が新規就農で小布施を選ぶ、という流れを作るのがいいのではないか
 
・ 小布施の果樹が集まっている公園のようなハブを作って、そこと町の中心部、またその周辺の神社等までの道を、農地の中の散策道として整備する。そのハブで農家の情報が得られ、実際にその農家のところにバウチャーをもって行けば果物がもらえるというようなことをしてはどうか
 
・ そもそも、小布施の最大の魅力は、「面白い人がいる、しかも小布施が大好き」という強いコミュニティー。江戸っぽい、栗、北斎などは、一度来るにはいいけど・・・という感じで核にはならない。だから、小布施のプロモーションも人間の顔をメインで出して行くべき
 
・ 企業誘致は、「大手デベロッパーと世界に誇る日本の地方を作る」「IT企業で東京にいる必要がないがセンス、環境がいいところにいたい人」「農機具の開発」などの分野にチャンスがあるのでは。農場に囲まれた蔵などをオフィスとしてリノベーションするべき

<役場プレゼン 総評 副町長等>
 
・ 今回、短期間でよく理解してもらい、面白い視点を頂きありがたかった。是非今後とも、継続的に取り組んで行きましょう
 
・ 小布施のコアは、やはり小布施のコミュニティー、小布施にプライドを持っている人が多くなる事で小布施に来る人が増える