Tangibility ~ ロンドン暴動、原発問題などに思う、今後の安定社会作りのためのキーワード

イギリスで暴動が続いている。
 
僕は2007年の大半を、ロンドンで過ごした。
 
当時、1ポンド250円。地下鉄の初乗りが日本円で1000円を超えるような状況だった。
経済の中心は、ロンドンだという熱気があり、グローバルM&Aは基本ロンドンっていう感じで、アメリカ、アジアからがつがつした優秀な奴が集まって来ていた。
 
それが、今は暴動。普通に危険を感じるレベルなようだ。
しかも、構造的な問題だから簡単に収束しないだろう。

イケイケのロンドンが不安だらけになってしまった。
以前イケイケだった日本は原発で安心できない。
ドル、ユーロは揺らぎ、外貨準備があってぼんやりしている日本の円だけ高い状態。
中国が一気に元を切り上げて資産を押さえに行ったら、本当に戦争とかになりかねない。
 
そんな不安が私の中にはよぎります。
 
なんでこうなってしまったんだろう。ということについて少し考えを書きます。
 

震災の後、石原都知事が、「天罰だ」と言って物議をかもしました。
私も、都知事選に当事者として関わっていたので、不謹慎な発言だし、良くないなと思いましたが、ひとつ頷けたのは、「我欲に満ちている今の世の中が変わるきっかけに成れば良い」というメッセージです。
 
特に、原発に関して言えば、本当はコントロールできない核エネルギーを、目先のワガママのためにabuseし、人間はおろか、動植物に対して取り返しのつかないことをしてしまった、という見方は正しいと思います。
堤防でなんとかなると考えた三陸の都市計画も、自然に対して傲慢だったと言うべきでしょう。
 
ロンドンの暴動についても、
 「おれたちこんなに生活苦しいのに、経済めちゃくちゃにした金融のやつらは、バカみたいな給料もらっているらしい」
というのが引き金のように聞いています。

これは、
 
アメリカンドリーム的なものが、虚構だ!不公平なんだ!崩せ!」
 
という衝動です。そして、私は、その気持ちがわかる気がします。

日本の円高、そして中国の潜在的な財務力についても、
 
「世界GDPが上がった時に、ちょうど経済成長をしたラッキーさ」
 
が原因となっています。
 
もっと早く経済が成熟した欧米は財政赤字に四苦八苦。
途上国はもはや成長産業育成できないまま、「市場」は「物欲の減衰」にて縮小。
この状況で日本や中国が資産を押さえに行ったら、欧米も途上国も怒るでしょう。

要は、「楽して得している一部の奴らがいる。不公平だ、正当性がない!ぶちこわせ」
という、根強い不満が、今後もくすぶり続けることは、疑いようがないと思います。
 
では、どうするか。
 

「持てるもの」が、noblesse obligeをちゃんとやることも大切なのですが、
多くの普通の人が、
 
「手触り感のある、幸せ」こそ本物だと思う方向にシフトすること
 
こそ大切なのではないかと思います。
「持てるもの」も、ふたを開けたら、実はたいして幸せそうではなかったりします。

経済活動のスローダウン、すなわちみんなの収入ダウン及び金融資産序列の固着化が「あたりまえ」の中で、
暴徒と化すのではなく、ひょうひょうと暮らす。
そのためには、「職人的な」「アートな」手触り感のある満足度を日々感じる。それが大切と思います。
 
Tangibility
 
こんなキーワード、いかがでしょうか?
僕は、農地にたつ時の生産性は数百円/時ですが、これほどtangibleな仕事もないので、幸せです。
 
早く、職人として腕を上げたいです。
 
読んでくれた方、ありがとうございます。偉そうな内容ですみません。
暑い日が続きます。皆さまご自愛くださいませ。