自給率を身近なミクロな視点で考える〜〜〜例えば、ジュース一本700円で買いますか?

 
自給率について、40%が海外に比べて低いとか、カロリーベースで見るとどうだとか、食の安全保障がどうかだとか、マクロな視点の議論や、実感がわきにくい観念論が多いと思います。
まあ、そういう視点の整理も大切なんですが、食べ物のことですし、もっと実感がわく話、でも感覚的な話を、かけだしの農業者・食品を扱う者として書きたいと思います。
 
わかりやすい例として、果物ジュースを例に取りたいと思います。

なにかのきっかけで、飲めなくなったら困りますよね。この果物ジュースの「自給」を考えてみます。
 
今スーパーでは、ジュースが1リットル200円、場合によっては100円近いでしょう。
これは、輸入品の比率が高いです。
生の果物は自給率が70%とかでしょうが、ジュースになると輸入物の比率が70%とかそれ以上ではないでしょうか?
 
なぜか。
それは、お客様の価格感度が高く、低コストで大規模で、果物製造からジュースとしてのパッケージングまで高効率で行わないと合わないからです。
200円という価格は、今の円の対外的な価値や、海外の労働賃金が日本より遥かに安いこと、石油が安いことなどなどによって支えられている。 ゆえに自給率が低いわけです。
 
「自給」しようしたら、どうなるか。
 
そもそも、「自給」とはどう定義すべきか。
本当に自分で果物を作って、瓶詰めにすることを「自給」として考えてみましょう(「自給」自足という言葉もあるし)。
 
<以下、しばらく原価根拠なので、めんどくさい人は読み飛ばされたし>
大体、反(1000㎡)あたり、原料の果実は1〜2トンとれます。一人の人間で約1〜2町歩(=1〜2ha)ぐらいを管理するのが限度でしょうから、一人原料を10~40トンとれます。労働賃、各種機械の償却、肥料などもろもろ経費が年間500万円としても、25トン収穫とすれば、キロ当たり200円。上手にやっても100円切るのは難しいです。1リットルのジュースの原料には2キロぐらいの原料果実が必要でしょうから、普通にやると原料だけで400円前後かかるわけです。
もも5〜6個400円でできると言われればよさそうですが、ももジュースの原料1本分で400円と言われると高く感じるのではないでしょうか。
これに、せっかくなので保存料をいれずに、でも煮沸消毒をしすぎてまずくならないよう小さめの釜で殺菌して、瓶も殺菌して、と手作り感のある瓶詰めをすると、一日二人がかりで200〜300本ぐらいでしょう。瓶1本あたり、100円〜200円かかるわけです。さらに物流もむちゃくちゃ大量でなければ1本100円以上かかります。
 
ということで、「自給」したり、「顔の見える人がこだわって作ったものを手に入れる」と、1本500円〜1000円が、「再生産可能価格」ということになります。
 
この、500円〜の、日本で日本人が製造から関わったジュースが流通するかどうかこそ
僕にとって、実感のわく形での「自給率を上げるべきか」そして「日本に農業は必要か」そのものです。
 
どうですか?みなさんは、もし、信頼する知り合いが、こだわって果物をはじめたら、その500~1000円/リットルのジュースに切り替えますか?
 
僕の今のところの答えは、私は、私自身ご縁を頂いた、応援したい農家が、小布施で桃・りんごなどを作っているので、桃・りんごジュースについてはその人から買います。
それは、たとえ価格が3倍だから、飲める量が1/3になってもそうします。
特に桃ジュースは感動の味で、本当に飲む量が少なくなっても、「ごちそうさまでした」と心から言いたくなる代物です。だからよろこんでそっちにします。

一方で、朝オレンジジュースやグレープフルーツジュースは、普通にごくごく飲みたいので、こちらは輸入物に依存しようかと思います。知り合いに柑橘農家ができるまでかもしれませんが。

このようなことは、実際に農業で汗を流してみないと、感覚としてわからないと思います。
私自身かけだしで、まだまだ一部に過ぎないとはいえ、そういう感覚をもてたこと、本当に「いただきます」「こちそうさま」が心から出てくる食材を知り合えた幸福、これは何物にも変えがたいです。 
みなさんも是非、体験されてください。
 
小布施の桃は7月収穫です。感動のジュース作りも私も一緒にやろうと思います。
注文是非ください!贈答品に最適なので、今年の夏私が個人的に知り合いにご紹介して、手ごたえあれば来年はもっとちゃんと構えて販売をやりたいと思っています。

自給率」という冷たい言葉ではなく、
 
「知り合いの農家の愛情、こだわりを感じられるような食」
 
に、すこしでも切り替えていくことで、結果自給率が上がる。
 
そんなことになったらいいなと思って、「喜んで買いたい、再生産可能な価格のもの」を自ら造り、プロデュースしていきたいと思います。
まずは
 
「お中元用感動の桃ジュース」、
 
続いて「一生飢えさせないことを約束してくれる農家が作った米」、
 
あとは、「違いがわかる感動野菜シリーズ・・・にんにく、アスパラなど」を仕掛けていきたいと思います。

農業体験、商品そのものに興味ある人はご連絡くださいませ。
(まずは、知り合い限定で展開します。手応え得てから一般公開していきます)
 
桃ジュース 1本 700円(送料別)から受付開始です。
今も在庫ありますが、新桃のロットは8月〜です。

結局、商品の宣伝でした。

でも、本当に感動の味なので、よろしく!