いけているコミュニティー 「小布施」

長野を終の棲家にしようとしています。
これについて書くと長くなるので、追ってにします。

今日は、小布施に来ています。

小布施は、長野市のちょっと北。
扇状地で果物、特に栗が有名。

長野は大きな県で、「北信」「南信」「東信」と「中央」?に分かれています。
その中で、長野市あたりはは真ん中あたりです。
今日は、農業系で独立志向の高い人(要はJAに出荷して一緒くたにされちゃうのではなく、自分の商品を直接売りたい人)の集まりがあって来ました。

今日書きたいのは、小布施が、自治体として、町として、コミュニティーとして、すごくイケていて、将来像を考える際、一考に価する ということです。


まず、大前提として、僕は以下のようなことを考えています。

・ 「億」「千万」単位の行政区、いわゆるnation stateは、これだけ人がグローバルに動く中で、使い勝手の悪い単位になりつつある。地方交付税とかではなく、財源も人材もどんどん基礎自治体に移すべき。

・ 適切な規模は、これまではシンガポールのように数百万がフィーチャーされてきた。しかし、「主要産業で世界に幅を利かす」(例えば、金融⇒ロンドンとシンガポール、香港 など)でもない限り、その規模である程度の「同一性」と「世界に売れる特徴」を持つのは難しい。 むしろ、もっとマイナーなところで1万〜数万 ぐらいがおさまりが良い感じがする

・ しかも、参加するコミュニティーや住む場所は、簡単に人が動いて選べるようになってきている。「参加コミュニティーを選べる時代」になっている。


そんなこんなで、基礎自治体単位には興味を持っていますし、私は「いけている自治体・コミュニティーを選んで住みたい」という気持ちがあります。実際友人もシンガポールに引っ越したりして、合理的な選択だなと思います。

さて、小布施町。どんなところか。

・ 江戸時代、扇状地でお米が取れないことを逆手にとって、「市」で栄え、北斎が来るなど文化的にもすばらしかった

明治維新以降、織物産業もできなかったのでゴーストタウン化。しかし江戸時代の蔵や神社仏閣が沢山残された。ブルージュみたいな状況。産業としては果樹農園がばかりで、風光明媚。いまもりんごの花がきれいです。

・ 昨今、観光の町として町並みを整え、北斎はじめ伝統文化、栗を使った和菓子などを売りに、人口1万に対して、観光客200万人来る町に。

・ すばらしいことに、「オープンガーデン」に沢山の住民が参加。みな庭をきれいにして、観光客ウェルカム状態にしてお茶などを提供。町民の帰属意識、参加意識が高い。

・ 1万人の町にもかかわらず、市町村合併拒否。

・ 地元の酒蔵・和菓子メーカーを営む「市村家」が中心となり(町長さんも市村さん)、「顔が見えるネットワーク」で街づくりをしている

・ 全国展開大手流通やパチンコ屋などの参入を許さず、小布施発の店、長野の企業でよく小布施のことを理解している店 のみが出店

とまあ、こんな流れですばらしい町になっています。是非グーグル画像検索で「小布施」見てください。

このようなすばらしいコミュニティーができるための必要要素を考えてみました。

・ 歴史に根ざした固有の価値を磨きつつ、全国・世界にマーケティングするスタンスを持つ
(栗菓子を全国に売っていた方々が、むしろ観光で小布施に来てもらおうと街づくりした)

・ 町の文化、価値感を確固たる物にしつつ、異文化を取り入れて、常に革新する
(中心企業である小布施堂には外国人女性の役員がいます。また月一回「オブセッション」という時代の先端についてディスカッションする場がある。また、私のような県外の若者もいろいろな会に呼んでいただける)

以前町長にお会いさせていただいたのですが、とても印象に残るお話をされていましたので、ご紹介します。

町長がとてもうれしそうにお話されていたのが、ある時、海外の方200名程度が小布施に来たときの話です。

小布施は宿が数件、〜20室ぐらいしかありません。
なので長野に泊まって貰おうか、と役場の人が話していたところ、

「それはもったいない。せっかく小布施に来ていただいたのだから小布施に泊まってもらおう」

と思って、オープンガーデンに協力している家などに協力お願いしたところ、ホームステーで賄えてしまったというお話。

こんな自治体があるんです!

また、町長の部屋に、明治時代の小布施の街並みの写真がいくつか置いてあったので、その話題になったところ,

「昔は道が、コミュニティーだった。子供の遊び場だったりした。今は車が走るから危ない。将来的には町の真ん中は車が入れないようにしたい」

すごくないですか?

ビジョンを持って、実際に街づくりを果敢にしているところがあるのです。短期的な税収なんて眼中に無いんです!

今度、岩泉(岩手の山中)の牧場にいくのですが、ここもすばらしいところで、しかも携帯がドコモでも繋がらないのですが、それがまたリラックスできることに繋がる気がします。

ハイテクタウンも江戸時代みたいな町も、いろいろある日本になったらいいなと思います。


ちなみに小布施のお勧め宿とレストランはこちら↓↓↓ 
果物のシーズンはもちろん、スキーシーズンも菅平まで車で30分以内ですので是非!

桝一客殿: 
小布施のボス市村さんの作った高級宿。全室「蔵」。ライブラリーには司馬遼太郎ほぼ全てハードカバーで揃っています。小布施でせっかく泊まるなら是非。今日は急遽市村さんの好意で割安で泊めさせていただきました。恐縮。
http://www.kyakuden.jp/

蔵部:
名前の通り、260年の歴史を誇る酒蔵を改築して作った料理屋。
http://www.obusedo.com/store/detail/club.html


ぜひ!