蓮舫さんの件に見る、日本の偏狭リスク

蓮舫さんの二重国籍が話題になっている件で思う所がある/議論が偏っている気がするので、私なりの見方を提示したいと思います。
 
党首として、あるいはもっと分かりやすく言えば総理大臣でもいいのですが、「海外の国籍を持っているから信用ならん」ということになるのは妥当性が本当にあるのでしょうか?
 
党首なり、総理大臣として、日本のために貢献出来る人物かどうか、その能力やコミットメントを持って国民が見極めて行けばいい事で、「二重国籍愛国心が無い/信用ならん」は、短絡的過ぎるように思いますし、日本の悪い所である「偏狭さ」が現れている気がします。
 
蓮舫さんはずっと日本の中でコミットされているし、今後責務が大きくなれば、更にそのコミットは上がるのは明らかなのではないでしょうか?
そもそも、選択肢がある中で日本を選んで活動しているということは、逆に言えば、海外移住/国籍取得を考える事も無く日本に居る日本人よりも、「考えた上で選択をしている」訳で、日本へのコミットメントは高いとも言えると思います。
 
国籍の問題は、蓮舫さんの立場に立って考えると、ハーフとして生まれ、そのご両親の国の国籍をわざわざ断ち切って捨てたくもない、というのは自然な心情ではないかと思います。 
 
また、これは蓮舫さんだけの問題ではなく、日本に大きな悪影響がある問題の一環として捉えられます。
このような「偏狭さ」が日本にはびこれば、ハーフの人や外国人から見れば、「日本という国は、ハンデが大き過ぎてリスクだから、日本以外で頑張った方がいいかな」と考えるに至り、日本にとって大きなマイナスになるでしょう。
 
私自身、とある町の行政に関わった時、その責務/権限が大きくなりそうな段階で、「よそ者(町の出身でも、在住でもない奴)だから、ダメだ」というような状況に遭遇し、仕事の質などを見てくれないと感じ、非常に寂しい/残念な思いをした事があります。
 
もう少し広く/長く日本の問題を捉えてみると、やや強引に思われるかもしれませんが、日本国/日本人の弱点として、

1)中間層/オペレーションは強いが、強く優秀なリーダーが出てきにくい
2)自動車等一部の業界を除いて、ガラパゴス化/国際マーケットへの進出の遅れが成長のネックになっている
3)高齢化が進み、移民に頼らざるを得ない/インバウンド観光に期待がかかるが、受入側の国際感覚が乏しい
 
などのポイントがあり、今後日本は益々国際化しなければ進化できないのは自明でしょう。
 
企業のリーダーに何度か外国人のトップが就いた事がありましたが、実際成果を出されている方も、西洋人、在日の韓国人系の方含め沢山おります。
また、オリンパスなどそうだと思いますが、「偏狭さ」が悪い方に出て、大きな機会ロス/停滞につながるような事もあったと感じます。

また、実は、事実として、純粋な日本人(特に富裕層など)でも、結構海外の国籍やパスポートをリスクヘッジの意味もあって持っている人はかなり居ると感じていますし、そういうことは表に出ていないし、プライベートな事なので表に出る必要もないと思います。
 
日本が、偏狭過ぎない国になる事を望みます。
また、蓮舫さんは事業仕分けなど颯爽と切り込んで行ったが、なかなか結果が出るまでには至らず悔しい思いをされたと思います。リベンジを見てみたいと思います。
 
以上、総論的/そもそも論でしたが、「台湾」という僕が好きな国は、更に個別的な歴史的背景があると思います。
 
ご存知の通り、台湾はかつて日本の一部であり、もちろん賛否あるものの、台湾の方々は日本を好意的に捉えており、震災の際の寄付等沢山くれる、そういう国です。
日本が治めていた時に作ったインフラ等、台湾の方が感謝してくれているというような状況を聞くと日本人としては誇らしい/暖かい気持ちにもなります。

その歴史的経緯を踏まえ、「台湾の国籍を捨てない」ことを、日本人が責めることが出来る立場なのでしょうか? 私は、そんな事言えないでしょう、と感じてしまいます。
 
蓮舫さんも、日本が現状「偏狭」なので、思った事その通り言えないのだと思います。 
 
私は蓮舫さん個人も期待したいし、
なにより、日本が偏狭にならず、「日本の為に頑張ってきた/頑張ってくれる人ならいいんじゃない?国籍なんてどこでも。プライベートな事だし。」と思えるように、なって欲しい物だと考えます。
 
以上