渡邉美樹とはこんな人1 〜 入社面接にみる「経営者渡邉美樹」

私がはじめて渡邉さんと出会ったのは、面接をして頂いた時のことでした。

昨日のことのように思い出す、衝撃的な出会いでした。

どう衝撃だったか。

その衝撃は、おこがましいながら「判断力・理解力がハンパない」「人たらしさがハンパない」というものでした。

当時、私は農業をやっている会社をいくつかまわっていて、たまたまワタミ、渡邉さんに面接頂くことになりました。

私は、それまでずっとコンサルタントをしていて、「良薬口に苦し」、耳心地の良いことではなく、本質論の直言をすることにこだわっている、そういうコンサルタントでした。

その日も、せっかく素晴らしい経営者、創業者にお会いできるということでしたので、自分らしく行こうと思って、相当思い切った内容を書きました。

詳細をここには書きませんが、6次産業ビジネスモデル自体に修正がいるのでは(ワタミの出口の性質と農業を自分でやるということのマッチングが良くないので、6次産業的見方をしないほうがいい)という内容であったり、会社の仕組みが渡邉さんがいないと回らないシステムになっていることこそ最大リスクだ、といった内容だったりしました。

15枚ぐらいのスライドをご用意していました。

私も初対面なので、「失礼承知ですが・・・」とか、「あえて部外者が”もしかしたら”と思う仮説をぶつけますと・・・」とか、ソフトな枕詞を一応言ったほうがいいかなと出方をうかがっていました。

すると、渡邉さんはニコニコしながら、ものの1〜2分で一気に資料を読み終えて、「面白い、面白い」と言ってくれました。
その後、私の資料の「では、どうするか」に関する部分について、完成度が低い部分を次々、「ここどういうイメージ?具体的にどうしたらいいの?」とバシバシ突っ込んでこられました。

簡単に言えば、私の書いていた事は、「あなたに力が集中することが、これからの会社の一番の問題だ」とか「ビジネスモデルが間違っている」とか、ある意味「失礼きわまりない」ことです。
初対面の訳の分からない若者から言われて、瞬時に冷静に客観的に対応される渡邉さんを見て、創業者は違うな、とびっくりしました。

今思えば、そこで私が言ったことは、多分、もともと渡邉さんも重々わかっていたことばかりなんだとは思います。とにかく、「この人は全然普通と違う」と、強く強く思いました。


そして、その面接が終わるとき、こちらも「勝負」のプレゼンが面白いと言ってもられて、アドレナリンが出まくっている時に、渡邉さんがおっしゃってくれたのが、

「天は必要なときに必要な人を遣わすんだね」

という言葉でした。
天才的な人たらしだな、と思いつつ、やはりシビレました。いろいろなことがあっても、この人のために何かしたいと、僕ががんばり続けられるのは、そういう言葉を、そういう時にかけてくれたからという部分が大きいです。

ワタミには、なんでこんなに?というぐらい一所懸命働く奴がいっぱいいます。
そのモチベーションには、やはり、渡邉さんのそういう、人のやる気スイッチを押す力があるからだと思います。

経営者に必要なこと。いろいろな書き方、切り口がありますが、

「判断力/cool head」と、
「人たらし、まわりをモチベートする力」

というのが二大コアスキルというのはわかりやすいと思います。

私の知る限りでは、渡邉さんは、この二つがすごいです。

おこがましい文章になってしまいましたが、こんな時なので、一人でも多くの人に知ってほしいと思います。あしからず。